Trend Summit 2013 - 2014

トレンド総研では、毎年12月に、生活者への意識調査結果やメディア動向などをもとに、その年のトレンド分析および、翌年のトレンド予測を実施しています。

本年は、『トレンドサミット2013 - 2014』と題し、商品ジャーナリスト・北村 森 氏をゲストにお迎えした「トレンド座談会」や、各分野の有識者への「2014年のトレンド予測インタビュー」を実施いたしました。

2014年注目のキーワード 地域

田中章雄氏
答えてくれたのは田中 章雄 氏
地域ブランドの提唱者および第一人者として、毎年100箇所で地域ブランドや地域活性化についての講演・セミナーを実施しているほか、全国で延べ50箇所を超える地域ブランド戦略の構築や商品化に携わっている。地域ブランドおよび地域団体商標の普及・啓蒙活動により「知財功労賞経済産業大臣表彰」を受賞。 2011年からは、ギネス世界記録を地域活性化につなげる取組も、積極的に進めている。また、インドネシア、マレーシアを中心とした東南アジア諸国への進出等を目的として2012年10月に設立された一般社団法人ハラル・ジャパン協会副代表理事を兼任している。
著書として「地域ブランドマニュアル」(中小企業基盤整備機構、2005年)、「事例で学ぶ!地域ブランドの成功法則33」(光文社、2008年)、「地域ブランド進化論」(繊研新聞社、2012年)などがある。「日経MJ」(日本経済新聞社)および「月刊商工会」に連載執筆中。

地理的表示保護制度

地域特有の農林水産物や食品などを「地域ブランド」として登録・保護する「地理的表示保護法案」を、農林水産省は今年1月の通常国会に提出した。欧州ではワインやチーズ、生ハムなど以前から制度として確立しているが、日本では酒類以外に産地などを認定する制度はなかった。2006年には地域団体商標が誕生したが、品質や原材料などを特定していないものが多かった。 産地間競争の激化やTPPなどによる輸入拡大などにより、各産地では自然や伝統などに裏打ちされた高品質な農産物や食品の開発への取り組みが拡大している。また、急増している産地偽装などの問題から、消費者が安心して選べるような仕組みも不可欠である。地理的表示保護制度はこれらの課題を解決するものと期待されている。

農観連携

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されることにより、外国人による日本の食に対する関心が高まるのは確実だ。また、2020年にオリンピック・パラリンピック競技大会が東京で開催されることが決定したことで、訪日外国人旅行者の増加も見込まれている。
こうした中、「農業」と「観光」を連携させた取り組みが重要視されている。農林水産省と観光庁は今年1月に、農山漁村の魅力と観光需要を結びつける取り組みを推進し、農山漁村の活性化と観光立国の実現を図るため、「農観連携の推進協定」を締結した。これは、我が国の農山漁村が有する魅力的な地域資源で国内外の観光客を惹きつけ、活力ある農山漁村の構築や各地域及び日本のブランドの確立を目指し、観光立国の実現を図るもの。具体的には、農林漁業体験などのグリーン・ツーリズムと他の観光の組合せや、国産農林水産物や食品、ご当地グルメなどによる観光地の魅力向上などがある。

ハラル対策(イスラム教向けの食への取り組み)

経済と市場が急成長している東南アジア。親日の国が多く、商品の輸出先および観光誘客のターゲットとして俄然注目を浴びている。6億人の域内人口を有する東南アジアの中で最大人口のインドネシアは9割近くがイスラム教徒で、いち早く近代化が進み、「東南アジアの優など生」と言われているマレーシアは国教がイスラム教。つまり、東南アジアをターゲットとする時、イスラム教を理解しなくてはならない。
イスラム教徒の特徴の一つは、不浄なものとされる豚肉や豚関連商品、そしてアルコールを口にしないこと。つまり、輸出や訪日観光において、これらを含まないなどイスラム教で許されたものを意味する「ハラル」対応することが重要である。輸出の大手企業や大手ホテルなどを中心に、2013年に一気にハラル対策が進んだ。ところが、各地域の中小企業や観光地では、こうした対策はほとんど行われていない。今後、各地が輸出や訪日観光に取り組む上で、「ハラル」は重要なポイントとなるだろう。