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「ヘルスパフォーマンス」に関するレポート

2018.11.08

~家庭での調理トレンドに新たな波が登場~
「コスパ」「時短」の次は「栄養効率」に注目!?
キーワードは「ヘルスパフォーマンス」

トマトは生よりソース、きのこは冷凍庫で保存…
ひと工夫で栄養効率をアップさせる裏ワザをプロが伝授!

 

生活者の意識・実態を調査する「トレンド総研」では、このたび、新しい家庭での調理トレンドとして、栄養効率を意識する「ヘルスパフォーマンス」に注目し、レポートします。
 

■1.【概要紹介】 注目の新キーワード『ヘルスパフォーマンス』とは?

 
ライフスタイルの多様化や、調理器具をはじめとした商品の進化に伴い、家庭における調理の様子はここ十数年で大きな変化を遂げています。特に近年は、費用面で語られることの多い「コストパフォーマンス」(コスパ)、時間や手間をかけないという意味で使われることの多い「タイムパフォーマンス」(時短)の2つが、家庭の調理シーンを語る上での重要なキーワードに。現在も調理テクニックやレシピを紹介する際に多用されています。

そして「コスパ」や「時短」を意識するのが当たり前になった今、新たに注目されつつあるのが「ヘルスパフォーマンス」(栄養効率)というキーワードです。そもそも食材は、同じ品種・量であったとしても、調理方法や組み合わせによって栄養素の吸収率が大きく異なることがあります。「ヘルスパフォーマンス」を重視した調理とは、こうした前提のもと「より効率的に栄養を摂ること」に意識を置いたもの。「コスパ」がお金の無駄をなくす、「時短」が時間の無駄をなくす考え方であるとすれば、「ヘルスパフォーマンス」は“栄養”の無駄をなくすという考え方と言えるでしょう。

<「ヘルスパフォーマンス」をアップさせる調理法の例>
●トマト:生のままではなく「トマトソース」にすることでリコピンの吸収効率がアップ
⇒トマトソースの調理工程(にんにく・たまねぎを加え、油で加熱する)が、リコピンを体内に吸収されやすい形にする

●ほうれん草:ゆでるのではなく「ラップ&レンジ調理」でビタミンCの流出を軽減
⇒ビタミンCは加熱によって壊れる性質があり、ゆでるとビタミンCがお湯に流れ出てしまうため、電子レンジ調理のほうがベター

●きのこ:冷蔵庫ではなく「冷凍保存」することでダイエット成分の吸収効率がアップ
⇒冷凍して細胞壁を破壊することにより、ダイエット効果で注目される「キノコキトサン」などの成分が外に出やすくなる

●小松菜:「レモン」との組み合わせが、鉄分の体内吸収をサポート
⇒レモンに多く含まれるビタミンCは、鉄分(植物に含まれる非ヘム鉄)の体内への吸収を助けてくれる働きがある
 

■2.【調査結果】 主婦500名に聞いた家庭での調理事情

 
今回のレポートでは、一般生活者の調理に対する意識や実態を探るべく、20~40代の主婦500名を対象とした調査もおこないました。

<調査概要>
・調査対象:20~40代主婦(既婚女性)500名
・調査期間:2018年10月4日~5日
・調査方法:インターネット

◆主婦の約8割が、普段の調理において「栄養効率」を意識!
はじめに、「調理をする際に、味以外で重要視しているポイント」を聞いたところ、「時間・手間」(85%)、「費用」(83%)、「栄養」(79%)がトップ3になりました。それぞれ「時短」「コスパ」「栄養効率」につながる要素であり、これらが主婦たちの調理における三大関心と言えそうです。

[グラフ 1]

また、「調理をする際、効率的に栄養を摂取するための工夫をすることはありますか?」という質問では、「よくある」が18%、「たまにある」が60%という結果に。合計すると、主婦の約8割が普段の調理において栄養効率を意識しているということになります。具体的な声としても、
●「にんじんの皮は栄養が多いので剥かずに調理」(49歳)
●「大根おろしは、時間が経つと栄養が少なくなると聞いたので、食べる直前にすりおろしている」(37歳)
●「ピーマンは繊維にそって切ると栄養を逃しにくいので、切り方を工夫している」(36歳)
などさまざまな回答があがりました。

◆効率的に栄養を摂取するテクニック&裏技、主婦の9割が「もっと知りたい」
さらに、「普段調理をするうえで、効率的に栄養を摂取するためのテクニックや裏技を、もっと知りたいと思いますか?」と聞くと、実に90%が「そう思う」と回答。「ヘルスパフォーマンス」に関心を寄せる主婦が非常に多いことがわかります。また、「栄養効率に関する話題は今後ますます増えていきそうだと思いますか?」という質問でも92%が「そう思う」と答えました。

[グラフ 2]

 

■3.【取材コメント】 専門家に聞く、「ヘルスパフォーマンス」注目の背景

 
また今回は、栄養指導などもおこなう管理栄養士の浅野まみこ先生に、「ヘルスパフォーマンス」に注目が集まる背景についてお伺いしました。
 
<専門家プロフィール>
浅野まみこ / 管理栄養士

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて糖尿病の行動変容理論をベースに1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、現在は、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ、講演、イベントなど多方面で活躍中。銀座飲食店のヘルシーメニューの考案や品川駅やコンビニにて「管理栄養士浅野まみこ監修47品川駅弁当」のプロデュースをはじめ、NHK「おはよう日本」、TBS「名医のTHE太鼓判!」、フジテレビ「バイキング」など、メディアや雑誌に多数出演。著書に『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)、『血糖値あがらないのはどっち?』(アスコム)など。

◆主婦たちの関心は、「コスト」「時間」から「栄養」にシフト!?
近年、レシピ投稿サービスや料理メディアの登場などにより、家庭での食事づくりにおいてもさまざまなトレンドが見られるようになりました。例えば「コスパ」はその代表とも言えるワード。節約志向の主婦を中心に、いかに安くておいしいものが作れるかを考えたレシピが数多く登場しています。また、「コスパ」を考えたレシピが定番になってから、新たにフォーカスされるようになったのが「時短」です。特にフルタイムで働く女性や、ワーキングマザーの増加という社会背景を受けて、「時短」レシピは大きな支持を集めるようになりました。

そして、この「時短」レシピも定番になったいま、注目を集めつつあるのが「ヘルスパフォーマンス」(栄養効率)です。同じ食材でも、ちょっとした工夫で栄養の吸収率を高めることができるため、主婦を中心に「ヘルスパフォーマンス」をアップさせる調理法に注目が集まっています。

◆「ヘルスパフォーマンス」に注目が集まる背景とは?
新たに「ヘルスパフォーマンス」に注目が集まっている背景には、近年の「健康志向」があげられます。「おいしい」「安い」「早い」だけでなく、いかに「健康的」かが食材・献立選びの新しい指標になってきていると言えるでしょう。

さらに、スマホなどのツールが普及し、健康にまつわる情報が誰でも簡単に手に入るようになったことで、同じ食品でも切り方や調理法によって、栄養の吸収率が変化するということが一般にも知られるようになってきました。また、切り方や調理法を変えるだけという「裏技」的な要素が楽しめるのも、注目を集める1つのポイントになっていると考えられます。
 

■4.【レシピ紹介】 プロが伝授!手軽にできる「ヘルスパフォーマンス」レシピ

 

さらに今回は、浅野先生に、自宅で手軽に実践することができる「ヘルスパフォーマンス」レシピも教えていただきました。

■ブリの和風トマトパッツァ
トマトは、生のまま食べるよりも「トマトソース」にすることでリコピンの吸収効率がアップ。煮詰めたり、油を加えるというソース作りの工程を経ることで、成分が体内に吸収されやすい形になります。市販のトマトソースを使えば、手間もかかりません。

【材料】(2人分)
・ブリ:2切れ ・塩:少々 ・黒胡椒:少々 ・しいたけ:1個 ・さつまいも:30g ・レンコン:30g ・にんにく:1かけ ・あさり:100g ・エクストラバージンオリーブオイル:大さじ3 ・日本酒:大さじ2 ・市販のトマトソース:1缶 ・トマト:1/2個 ・しそ5枚

【作り方】
1:ブリは、塩、黒胡椒を振り、ペーパーに挟み余分な水分をとる。
2:しいたけは4等分、さつまいも、レンコンは5mmの輪切り、にんにくはみじん切りにする。あさりは砂抜きをして洗っておく。
3:フライパンにオリーブオイルを大さじ1加え、ブリを皮目から焼き色がつくようにパリッと焼き上げる。
4:一度、ブリを取り出し、同じフライパンに残りのオリーブオイルを加え、2を炒め、日本酒をふる。
5:3のブリを戻し、市販のトマトソースを加え、蓋をして5分ほど中火で加熱する。くし切りにしたトマトを加え、火を止める。
6:器に盛り付け、千切りにしたしそを添える。

▼「ヘルスパフォーマンス」だけでなく、「コスパ」&「時短」にもつなげるには…
サバ缶×トマトソース缶×残りもの野菜を、電子レンジでチン!

生のトマトに比べてリコピンの体内吸収率がアップする「トマトソース」の缶詰と、「サバ」の缶詰を組み合わせることで、「ヘルスパフォーマンス」だけでなく、「コスパ」&「時短」もかなえるメニューに変身! 作り方は、サバの水煮缶、トマトソース缶、お好みの野菜をお皿に入れて、野菜に火が通るまで電子レンジにかけるだけ。缶詰をストックしておけば、家にある野菜でいつでも作ることができます。ちなみに、サバ缶のかわりにツナ缶を使うのもおすすめです。

 
■冷凍きのこと鶏肉のカレー風味リゾット
きのこは、冷蔵庫ではなく「冷凍保存」することでダイエット成分である「キノコキトサン」の吸収効率が向上。また、にんにくのアリシンが、鶏もも肉のビタミンB1の吸収と体内持続性をアップさせます。さらに、きのこ、もち麦などの水溶性食物繊維を合わせることで腸内環境の改善も期待できます。

【材料】(2人分)
・鶏もも肉:200g ・A(塩少々 黒胡椒少々 カレー粉大さじ1 小麦粉小さじ2) ・にんにく:1かけ ・エクストラバージンオリーブオイル:大さじ2 ・冷凍きのこ:200g ・もち麦入りご飯:150g ・コンソメ:少々 ・水:1カップ ・塩:少々 ・黒胡椒:少々 ・粉チーズ:少々 ・イタリアンパセリ:お好みで

【作り方】
1:鶏もも肉は1口大にそぎ切りにし、Aをまぶしておく。にんにくはみじん切りにする。
2:フライパンにオリーブオイルをしき、にんにくを加え、鶏もも肉を皮面から焼き色をつけるように焼く。返したところで冷凍きのこ、もち麦入りご飯を入れ炒める。
3:コンソメを加え、水を3回に分けて入れながら炒め煮にする。
4:もち麦が柔らかくなったところで、火を止め、塩、黒胡椒で味を整え、粉チーズを加える。
5:器に盛り付け、お好みでイタリアンパセリを添える。

▼「ヘルスパフォーマンス」だけでなく、「コスパ」&「時短」にもつなげるには…
冷凍きのこ×冷蔵庫の余り物で簡単オムレツ!

きのこは冷凍しておくことで、ダイエット成分である「キノコキトサン」の吸収率がアップ。冷蔵よりも長持ちするので、気軽に普段の料理に活用することが可能です。大きめに切っておくことで、冷凍しても食感を残すことができます。おすすめはオムレツ。卵は糖質が低くたんぱく質も豊富なので、ダイエット中にもおすすめの食材。また、冷蔵庫に余っているいろいろな具材と一緒に料理をすれば、買い物の手間も省けて時短になります。さらに、きのこでカサ増しもできてコスパも抜群です。
 

健康・医療・薬
調査名
家庭での調理事情に関する意識・実態調査
調査対象
20~40代主婦(既婚女性)500名
調査期間
2018年10月04日~2018年10月05日
調査方法
インターネット調査
オピニオン取材
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